辻野榮一展 「GARDEN」

辻野榮一展 「GARDEN」

東の空に闇の兆しが見え始める頃
命は象(かたち)を現し
呼吸している。蠢いている。ひっそりと循環している。
大きな土の塊から湧き上がる。
甘い香気に誘われて集まってくる。
それらは太古より僅かに変化しながら生息している。
外界から隔絶され
ささやかに解き放たれる安らぎの場所で。

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1984年から個展・グループ展を中心に本格的活動を開始し、木を素材に制作発表を続けています。2004年から活動の場を海外にも広げ、アントワープ/ベルギーにあるWollondilly Galerieでの発表、また来年6月にNeue Galerie Landshut(ランツフート/ドイツ)で個展を予定しています。
日本の伝統でもある木彫は、本来のみや彫刻刀を使用しますが、私はそれらの道具をほとんど使わず、チェーンソーとディスクグラインダーで彫っていきます。一見、籐で編んだかのように見える作品の表面は、無数の細い溝で覆われています。それは粗彫りした木の表面をディスクグラインダーに特殊な刃を取り付け、回転の摩擦熱で擦り切り、焦がしながら彫っていくという新しい手法で着色と成形を同時に行っています。